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調査捕鯨:IWC科学委専門家パネル勧告の進捗状況について [クジラ]

本年5月スロベニアで国際捕鯨委員会(International Whaling Commission: IWC)科学委員会が開催され、ここで日本が今年から実施する予定の北西太平洋での新調査捕鯨計画案(NEWREP-NP)が議論されました。この計画についてはこれに先立って開催されたIWC科学委員会独立専門家パネルで「致死的調査の必要性が立証できてはいない」とする厳しい評価を受け、これを改善するための必要なものとして多数の計画修正勧告が行われました。
これらに基づき日本は調査計画を若干修正し、最終のものとしてIWC科学委員会に提出し、科学委員会では専門家パネルの勧告の進捗状況につき検討が行われました。
以下、これら検討の進捗状況を簡単に示すため、十分な修正が行われた改善勧告を達成したものには緑色、部分的に進展が見られたが、勧告を十全に達成するにはまだ至らないものには黄色、勧告に応えておらず、進展が見られないものに赤色をつけてみました。

これで見ると、達成された勧告は10、部分的に達成されたが、部分的に未達成のものは10、進展がみられず達成されてないものは8、となります。
(ただしこの色付けについては判断が分かれるであろう個所もあるため、あくまで参考程度のものです。なおこの記事については今後補正・改訂する可能性があります)

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https://archive.iwc.int/pages/view.php?ref=6557&k=e44fb84b94
【IWC, “Report of the Scientific Committee,” pp. 116-121.】


 現在日本が南極海で実施している調査捕鯨(NEWREP-A)についても、2015年2月にIWC科学委員会独立専門家パネルが開催され、「現在の調査計画は調査目的を達成するために致死的サンプリングが必要であることを立証していない」とする極めて厳しい評価を下すとともに、これに対する改善点として合計29の勧告を行いました。

 上記勧告に関し、日本側は「致死的調査・サンプル数の妥当性の評価に不可欠な作業に関する勧告については、具体的な作業計画を提示し、科学委員会(本年5月)で当該作業の結果を報告する」としました。

NEWREP-A JPN.jpg

 2017年に開催された科学委員会では南極海の調査捕鯨についても進捗状況につきレビューが行われました。
 そこで、ここでの日本側及び科学委員会からのパネル勧告に関する進捗状況についても、科学委員会報告書をもとに一覧にしてみました。

NEWREP-A 1.jpg
NEWREP-A-2.jpg

 日本側が「致死的調査・サンプル数の妥当性の評価に不可欠な作業に関する勧告」としてもののうち、日本側の評価において未完了であるものは5つのうち2つ、他方科学委員会側から「日本側から新たな情報が提示されなかった」と、進捗がなかったものは5つであることがわかります。

 詳細はIWC科学委員会報告書(IWC, “Report of the Scientific Committee, Annex P: Statements Related to Item 19. Special Permits,” IWC/67/Rep01(2017)pp. 1-8.)をご覧ください。
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