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北太平洋新調査捕鯨計画:IWC科学委での賛否動向について [クジラ]

本2017年5月9日から21日にかけてスロベニアで国際捕鯨員会(IWC)科学委員会が開催されていましたが、その報告書が発表されました。
https://archive.iwc.int/pages/view.php?ref=6557&k=e44fb84b94
【国際捕鯨委員会科学委員会報告書】

ここで日本の北太平洋で今年から実施する予定の新調査捕鯨計画(NEWREP-NP)が検討されました。
新聞によりますと、「IWCが公表した報告書では、日本の主張に賛同する意見の一方、サンプル数の算定などでさらなる作業を求める意見も併記されている」(朝日新聞電子版2017年6月7日21時00分)とされています。

http://digital.asahi.com/articles/ASK674F20K67ULFA012.html
【朝日新聞電子版2017年6月7日21時00分配信「調査捕鯨計画をIWCに提出 水産庁、今月にも開始」】

また水産庁は科学委員会報告書で「『合理的に対応済みで調査の実施は正当化された』との意見が盛り込まれたことを明らかにした」とし、「同庁は“お墨付き”を得たとして、近く同海域で今年度の調査捕鯨を始める」と報道されています。

http://www.sankei.com/life/news/170607/lif1706070061-n1.html
【産経ニュース2017年6月7日22時5分配信「水産庁、調査捕鯨を月内開始へ IWC報告書は「両輪併記」」】

実際科学委員会の報告書の本文でも、「ある国は賛同したが、他の国は反対した」としか記載されていないため、どの国の誰が賛成したかは本文からはわかりません。
ただ、科学委員会の報告書では付録として北太平洋の新調査捕鯨計画に関する賛成意見と反対意見が付されています。ここではどの国(の誰)が賛成/反対したかがわかります。

まず新調査捕鯨計画に賛成を明示的に表明した国として、日本があります。

https://archive.iwc.int/pages/view.php?ref=6557&k=e44fb84b94
【IWC, “Report of the Scientific Committee: Annex P: Statements Related to Item 19. Special Permits,” pp. 18-19.】


報道によると(産経ニュース2017年6月7日22時5分配信)「ノルウェーなどの捕鯨国が日本とともに正当性を主張し」とありますので、日本の他にノルウェーが賛成意見を表明したことがわかります。

他方、新調査捕鯨計画に反対を明示的に表明したのは、以下の科学者です。

G.J. PIERCE(スペイン), R. ALMEIDA(ブラジル), E. ARGUEDAS(コスタリカ), C.S. BAKER(米国), E. BELL(オブザーバー:Earth Investigation Agency), R.L. BROWNELL JR.(米国), E. BURKHARDT(ドイツ), D. CHOLEWIAK(米国), P. CLAPHAM(米国), J. COOKE(IUCN), M.COSENTINO(ルクセンブルク), W. DE LA MARE(豪州), M. DOUBLE(豪州), P. FRUET(ブラジル), P. GALLEGO(ルクセンブルク), A.M. GONZALEZ(コロンビア), N. HIELSCHER(ドイツ), M. INIGUEZ(アルゼンチン), Y.IVASHCHENKO(米国), K. JELIÆ(クロアチア), G LAURIANO(イタリア), R. LEAPER(英国), K. LONG(米国), D. LUNDQUIST(ニュージーランド), S.D. MALLETTE(米国), J. MCKINLAY(豪州), S. PANIGADA(イタリア), S. REEVES(英国),V. RIDOUX(フランス), F. RITTER(ベルギー), J. RODRIGUEZ(コスタリカ), H. ROSENBAUM(米国), M.B. SANTOS(スペイン), M. SCHEIDAT(オランダ), M. SEQUEIRA(ポルトガル), M. SIMMONDS(英国), M. STACHOWITSCH(豪州),A. STRBENAC(クロアチア), E. VERMEULEN(ベルギー), P. WADE(米国), AND A. ZERBINI(ブラジル

IWC-SC.jpg
【IWC, “Report of the Scientific Committee: Annex P: Statements Related to Item 19. Special Permits,” p. 18.】

したがって、日本の新調査捕鯨計画に対して「合理的に対応済みで調査の実施は正当化された」との“お墨付き”を与えたことが科学委報告書及び報道からわかる国としては、日本とノルウェー、現段階では科学的に正当化されないと明示的に反対しているのが報告書からわかるのは、スペイン、ブラジル、コスタリカ、米国、ドイツ、ルクセンブルク、豪州、コロンビア、アルゼンチン、クロアチア、イタリア、英国、ニュージーランド、フランス、ベルギー、オランダ、ポルトガル、IUCNの科学者ということになります。


詳細についてはIWC科学委員会報告書をご覧ください。

https://archive.iwc.int/pages/view.php?ref=6557&k=e44fb84b94
【IWC, “Report of the Scientific Committee.”】


IMG_0203.JPG
【昨2016年スロベニアで開催されたIWC隔年会合の模様。筆者撮影】
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